2013/10/23

【SH】4th Major Album:6th Story CD - Moira。


Moira
Major 4th Album:6th Story CD
2008年9月3日発売
価格:¥3,800(税込)(初回限定盤)
価格:¥3,000(税込)(通常盤)


01.冥王 -Θανατος-

時を運ぶ縦糸――(Chronos, the vertical bearer of time)
命を灯す横糸――
(Bios, the horizontal flame of life)
其を統べる紡ぎ手…其の理を運命と呼ぶならば……
(The weaver of the universe uses both strings...if this is the reason we call it destiny......)
Μοιραミラ (Moira)Θανατοsタナトス―― (Thanatos)
其レハ冥府ノ支配者ニシテ亡者達ノ王
(Thanatos, the Lord of Hades, and the deadman's king)
地上ノ者達ガ【死神】ト呼ビ畏レテイル存在
(The living are terrified by the fear of god of death)
「ソゥ…我コソガ 死 ダ」
彼女モ同ジヨゥニ 愛シテル 彼氏ト同ジヨゥニ 愛シテル
王者オウモ奴隷モ 聖者モ娼婦モ 等シク愛デヨゥ
生者アナタ モ同ジヨゥニ 愛シテル 死者ワレラト同ジヨゥニ 愛シテル
老人オイモ若者ワカキモ 詩人モ勇者モ 等シク散ラソゥ
母上(mother?)...貴柱ガ命ヲ運ビ続ケルノナラバ
Θハタナトス―― (Thanatos)生キトシ生ケル全テヲ
殺メ続ケルコトデ 奪ィ続ケヨゥ
『冥府ヘヨゥコソ!』
(Kalosorisate stin Hades! カロソリサテ・スティン・ハーデス!)
貴方ハ逝ッタ 唯 逝ッタノダ
貴方ハ逝ッタ 唯 逝ッタノダ
(Dies. mono, dies. ディエス・モノ・ディエス)
訳モ解ラズ 遣ッテ来テ 運命ニ弄バレ
貴方ハ逝ッタ 唯 逝ッタノダ
(ディエス・モノ・ディエス)
不運ナ姫君 迎ェニ往コゥ
(Pegaine stin ypodochiピイゲィヌ スティン ウポゾフィ)
血濡レタ花嫁 迎ェニ往コゥ
(Pegaine stin ypodochiピイゲィヌ スティン ウポゾフィ)
シヲ抱ク瞳 彼ハΘノ器ワレノモノ
母ヲ殺メル夜 迎ェニ往コゥ 双ツハヒトツ
【黙したまま死を告げる冥王の瞳】
(The everlasting silence of Thanatos...His stare conveys "death")
アナタ方モィズレ 知ルダロゥコノ世界ニ 平等ナド ナィノダト Θカレ以外
無慈悲ナ 女神ガ統べる
コノ世界ニ 平等ナド ナィノダト Θカレ以外
遅カレ 早カレ 避ケラレヌ 別離ワカレ
ソゥ...Θワレ・カレコソガ死ダタナトス
母上(mother) ...貴柱ガ命ヲ運ビ続ケ怯ェル仔等ニ痛ミオ与ェ続ケルノナラバ
Θハタナトス―― (Thanatos)
生キトシ生ケル全テヲ
殺メ続ケルコトデ 救ィ続ケヨゥ



02.人生は入れ子人形 -Матрёшка-

【ロシア人豪商:Алэксэй Романович Зволинский】
(Aleksei Romanovich Zvolinskiiアレクセイ・ロマノヴィッチ・ズヴォリンスキー: The Russian billionaire)
《スヴォリンスキー:「わたくし……古代のロマンにЗволинскийズヴォリンスキー!! 嗚呼……穴があったら……掘りたいっ!」》
《「レディース・アンド・ジェントルメン!さぁ本日お聞かせするのは私の華麗なる半生、貧しい生い立ちで幕を開ける涙、涙の物語でございまぁす!!」
「хорошоハラショー!! хорошоハラショー!! 張り切ってまいりましょう!さぁ腕を組みながら足の筋を伸ばす運動!」》
赤く揺らめく暖炉ペチカ(печка) 家にもあったのに
悲しいけれど 燃やすべき 薪がなかった
弟達はいつも 機敏にちょこまか動いてた
腹は減るけど じっとしてたら 凍っちまうから

運命の贈り物 不幸を詰めた 入れ子人形マトリョーシカ(Матрёшка)
開けても 開けても 悲しみばかり
《「хорошо(ハラショー)!хорошо(ハラショー)!ボルシチには黒コショー! さぁ、2番はますます涙ちょちょぎれンスキー…!」》
白く煌めく大河ヴォルガ(Волга) 風を切り裂いて
走れ馬車よトロイカ(тройка) 家は遠いか 空駈けろ
妹達もいつも 腹を空かせてた
頑張れ末妹よカチューシャ(Катюша)  銀のお注射 きっと快くなるさ
《「お兄ちゃん、お腹空いたよぉ…」 「がーんばれ!」 「いてー!」》
人生は贈り物 不条理詰めた 入れ子人形マトリョーシカ(Матрёшка)
開けても 開けても 苦しみばかり
《「さぁ皆様、お手元にハンケチなどご用意くださいませ…。 ここまではほんの序章に過ぎません。本当に悲惨なのはここからでぇございまぁす…!!」》
臥せる少女の治療費で 貧しい家計は燃え上がり
父親パパは遠くの炭坑で 岩が崩れて下敷きに
登りは険しき坂道も 転がり堕ちるは正に刹那
死せる少女の葬列に 愛した二人の影はなく
母親ママも娼婦の格好で 無理が祟って旅立てり
どんなに険しき坂道も
転がり堕ちれば正に刹那
《「パパ…」「ホラ、泣かないの」「ママァ…」「お父さんに、お別れしましょうね。」 》
《「あなた、あ・な・た!」
「…おぉ、Ireneエイレーネ!!愛しの我が妻よ……!!…私、君の魅力に…ズヴォリンスキィイぃいー!」
「…何馬鹿なこと仰ってるんですか。作業のほうは如何ですの?」
「順調、快調、絶好調!! 今は丁度休憩していた所です。…あぁ、君達はもう良いですよ。 はい、ありがとう、спасибоスパスィーバ、спасибоスパスィーバ!!

(聴衆:「つれないわねぇ」「もう終わり?」「あたいの鉄拳がぁあ!」)
 …おほん、それでは諸君! 張り切って作業を再開いたしましょう!」
(聴衆:「後の(?)事はズボリに任せて帰りましょうかね?」「待ってよ!?」「待ってよぉ、」「お姉さまぁー」)
皆:「「хорошо/Bravo(ハラショー?ブラボー?)(それとも、『いたしましょう』?)!!」」》 ←誰か教えて(笑)
掘っても掘っても砂ばかり どれだけ掘っても脈がない
拝金野郎の妄想さ 無駄な努力と他者ひとは言う
それでも 夫あなたは諦めないわ
掘っては掘っては砂埃

どれだけ掘っても切りがない
成金野郎の道楽さ 馬鹿な男と学者ひとは嗤う
それでも 妻わたしは着いてゆくわ
輝く黄金や 轟く名声が
欲しい訳じゃない 夢が見たいだけ
運命ミラが望むのは 喜劇か 悲劇か
今もう一度【神話】を 歴史の舞台に立たせたい……
貧しい一家は離れ離れ 私は商家へ丁稚奉公
不細工な顔だと虐められたけど 誰よりも必死に働いた
私を支えたのは家族の存在と 母の形見となった一冊の【叙事詩】ほん
――“運命は残酷だ されど彼女を恐れるな
女神ミラが戦わぬ者に微笑むことなど 決してないのだから”――
人生は贈り物 不条理詰めた 入れ子人形マトリョーシカ(Матрёшк)
それでも私は掘るだろう そこに穴がある限り……
《「うおおお!」「…おおぉぉぉおおお!!」「あなた…?」
「Ireneエイレーネ!!!!Ireneエイレーネ!!!!!!」
「何ですの?」
「Хорошоハラショー!!!!」
「えぇ?」
「Хорошоハラショー!!!!」
「まあ……!!」
「Хорошооооハラショォォォォォオー!!!!!!!!」
「素晴らしいわ……!」 》



03.神話 -Μυθος-

始源 世界には唯混沌あり 軈て 万物の母なる者の目醒め
(In the beginning, chaos filled the world. After a while, the mother of all life awakens.)
母なる者 混沌より子を成さん 其は即ち 創世の三楽神である
(She creates children from this world of chaos. They are the Genesis. They were gods we call Muse.)
長兄神と末妹神が交わり (Rythmos and Harmonia conceived.)
朝神と夜女神
(Helios and Nyx.)
次兄神と末妹神が交わり (Melos and Harmonia conceived.)
太陽神と月女神が生まれた(Elios and Pheggari.)
朝神と夜女神から
(Helios and Nyx conceived.)
大地女神の眷属
(The relatives of Ge.)
太陽神と月女神から
(Elios and Pheggari conceived.)
海原女神の眷属が生まれた(The relatives of Thalassa.)
母なる者 自ら天空双神の眷属を生み
(The Mother herself conceived Ouranos,)
最後に【死すべき者】――即ち人間を創った
(In final conceived Thanatoo which bears hellenes.)
時を運ぶ縦糸…命を灯す横糸…
(Chronos, the vertical bearer of time...Bios, the horizontal flame of life...)

其を統べる紡ぎ手…其の理を運命と呼ぶならば…
(The weaver of the universe usesboth strings...if this is the reason we call them destiny...)
嗚於…女神よ…貴柱はどんな世界を織り上げるおつもりか?
(Oh...Goddess...What kind of world will thou weave?)
第六の地平線『Μοιρα』
(The 6th Horizon "Moira" )
創世詩ジェネシス(Genesis)奏で始めた 神話ミュートス(Mythos)華やぐ時代
語り手は誰ぞ 謡い手は誰ぞ
詩女神の娘達ハルモニアス(Harmonias)
長女・Ιωνιαイオニア(Ionia)
次女・Δωριαドリア(Doria)
三女・Φρυγιαフリージア(Phrygia)
四女・Λυδιαリディア(Lydia)
五女・Αιοριαアイオリア(Aioria)
六女・Ροκριαロクリア(Locria)
我等
【詩女神六姉妹】イズ ハルモニア(Is Harmonia)

【風神眷属の王国:Ανατολια アナトリア】
 (the Kingdom of アネモス)
【戦女神眷属の王国:Θρακια トラキア】
 (the Kingdom of マッケィ)
【火女神眷属の王国:Μακεδονια マケドニア】
 (the Kingdom of フォーティア)
【地女神眷属の王国:Θεσσαλια テッサリア】
 (the Kingdom of ゲー)
【光神眷属の王国:Αιθρια アイトリア】
 (the Kingdom of フォス)
【智女神眷属の王国:Βοιοτια ボイオティア】
 (the Kingdom of デュナミス)
【水神眷属の王国:Λακωνια ラコニア】
 (the Kingdom of ヒュドラ)



04.運命の雙子 -Διδυμοι-

「――そして…女神が舞い降りたる地は……」
後の世に楽園と謳われる
詩情溢れるアルカディアの山々
(And then... the place to which the sisters descend is.......
The scenic mountains of Arcadia, which later became known to all as Paradeisos.)
暮れ泥む秋の日の憧憬――
其れは…未だ世界の悪意を識らぬ幼子の戯れ…
(The spectacle of the autumn twilight, like a playing child who has yet to discover the world's malice......)
――そして…季節は廻り…
運命の歯車は再び…静かに廻り始める……
(――And...as the Chronos is woven...
The cogwheel gently starts to revolve again......)
二度と還らざる 淡き少年の日々
空を翔る鳥は何処までも 飛べると信じてた
やがて振り返る 淡き少女の日々
水に映る月を何時の日か 取れると信じてた

優しい父と 美しい母と
そんな日々が何時までも 続いてゆくと信じてた
運命(ミラ)に抗う者と 運命(かのじょ)を受け入れる者
嗚呼…運命(かみ)を殺める者と 運命(さだめ)に捧げられる者
野山を駈け廻った 流れる雲追いかけて
夕暮れに漂う匂いに 二人は家路を競った……
戻れない Διδυμι(Didymoi)
狡猾な蠍の影…
(The cunning scorpion's shadow...)
《「探したぞ、ポリュデウケス…」
「スコルピオス殿下!?」
「アルカディアの双璧と謳われた勇者がこんな山奥で隠遁生活とは…。貴様、何故剣を捨てた?」
「野心家の貴方にお話したところで、…ご理解頂けないでしょうな。」
「ただいまお父さん!」「ただいまお母さん!…ぁ。」
「ほほぅ…。捕らえろ!!」「敵だ!子供達を連れて逃げなさい!」
「エレフ、ミーシャ!こっちよ!」

「ラコニア軍は既に掌握した。…ポリュデウケス、私の元で働け!」
「…断る、と申し上げたら?」
「ならば冥府の王にでも仕えるのだな…!」》
廻り始めた歯車は誰にも止められない……
(once it starts, nobody can stop the revolving cogwheel...…)



05.奴隷市場 -Δουλοι-

…(ガタゴト)ほら 荷馬車が揺れりゃ
…(ガクブル)そら 老婆(ババァ)も《吃驚し怖れ慄く》(ビビる)
帰りたいのに 言えない 帰りたくとも 家無い
…(ビシバシ)ほら 馬鞭が撓なりゃ
…(ガクブル)そら 老爺(ジジィ)も《挙動不審になる》(キョドる)
帰りたいのに 言えない 帰りたくとも 家無い
回る回る 車輪は廻る 運命(ミラ)は彼等を何処へ運ぶ
背中合わせの温もりだけが 双りに灯る唯一の希望(エルピーザ)(Ελπισα)……
《「…ほら?」
「ほら急げ!この無駄飯食い共が!」
「ほれほれ!止まってるんじゃねえ!」》
重い足取りで 念おもいは届かず
疲れた身体で 運命だからと
何処へ 何処へ 彼等は何処へ向かって行くのかしら?
(kapou, kapou, pigaino kapou? カプ カプ ピイェヌン カプ ?)
何故 何故 彼等は何故に行かなければならないのかしら?
(giati, giati, prepei na pate? ギァティ ギァティ プレピ ナ パテ ?)

平等なんて嘘なの? 幻想なの?
命に値段をつけられる場所

其れが奴隷市場 奴隷市場 奴隷市場……
《「ほれ、急げ!」
「おい!」
「ほれほれ!」
「うっ…ミーシャ…」
「うん…」
「うわっ」
「モタモタするんじゃない!」
「わっ…!」
「チッ」
「ミーシャ…」
「エレフ…」 》
離れ離れ 繋いだ手と手 遥か遥か 引き裂かれて
《「ミーシャー!!」 「エレーフ!!」》
巡る巡る 季節は廻る 運命(ミラ)は双りを何処へ運び
今は見えざる歴史の涯はてに 舞い降りるのは誰の光……



06.雷神域の英雄 -Λεωντιυς-

雷(いかずち)を制す者 世界を統べる王と成る
【アルカディア第一王子:Λεωντιυ】
(Leontius...the first prince of Arcadia...)
野を朱く染めながら 黄昏は 世界を誘い
刃を緋く染めながら 我々は 生命を誘う
夕闇へ 冥闇(くらやみ)へ
生ける者にとって必要なものは
死せる者にとって不要なものばかり
何が欲しいのだ 屍と成ってまで
握りしめた手に 何も掴めぬまま
夕闇へ 冥闇へ
「殿下!」
「何事だ?カストル」
「は!殿下の雷槍と我が軍の武勇に恐れをなしたのか、神域を侵していたラコニア軍は、 撤退し始めたようです」
「うむ 御苦労」
東方(アナトリア)では 異民族(バルバロイ)の侵攻 苛烈で
風の都(イリオン)は今 難攻不落の城壁を 築いているという
同胞(ヘレーネス)同士が 争う傍で
時代は確かに疾り始めている
神託を疑えば 立てる大地が揺らぐ
解釈の自由が故 諸王は悩むのだ
青き銅よりも強かな 鉄の鎧う獣が
風の楯をも喰い破り 流る星を背に 運命(かみ)に牙を剥く

太陽(ヘリオス) 闇(エレボス) 蝕まれし日
生まれし堕つる者 破滅を紡ぐ
「レオンティウス...ご覧なさい。雷神の血を分けた、貴方の兄弟ですよ」
「おめでとうございます 殿下」
「殿下、立派な兄君にお成りなさいませ」
「兄上! 陛下が件の神託の件で御呼びです」
「嗚呼…ミラよ…なんという仕打ちを…」
「イサドラ様、ご案じなさいますな。ここは私めにお任せください」



07.死と嘆きの風の都 -Ιλιον-

【高級遊女と其の見習い】
(Cassandra, Melissa, and their apprentice, The Hetaira.)
《カッサンドラ「急いで、貴女達?風神殿(アネモン)の神官様がお待ちよ」
メリッサ「んもぅ 新入り…グズグズしてるとアタイの鉄拳が火を噴くよ?」
二人「んふふ…」
アルテミシア「ご…ごめんなさい…」CV:栗林みな実》
女蛮族(アマゾン)のような腕力はないけれど
芸のない唯の売女(ポルネ)とは違うわ
嗚呼…花代(ドラクマ)と真心を引き換えに美しの夢を売る…
敬愛する詩人(ソフィア)のような教養はないけれど
学のない唯の街娼(デミエ)とは違うわ
嗚呼…元々哀しき奴隷の身とはいえ
今は咲き誇る薔薇【高級遊女】(ヘタイラ)
花開き風薫る春を鬻ひさぐ以外
身寄りなき娘には何もないけれど
憐れみならば要らないわ…馬鹿にしないで…
アナタの其れは愛じゃない!
《カッサンドラ「っと、着いたわねぇ」
メリッサ「わーぉ!」
アルテミシア「ここが、風の都(イーリオン)…?」》
【風の都】
《カッサンドラ「さぁ…」》

《「お前らー!さっさと運べ!」
「サボるんじゃない!」
「貴様らはここで、死ぬまでこの城壁を築き続けるんだ」
「さぁ運べ!休むんじゃない」
「さっさと運ばんかいコラァ!ええい!」》
壁石いしを運ぶ者
乾いた音に打たれ
医師を叫ぶ者 地に臥して虚しく
奴隷達の多くは背後に黒き影を纏っていた…
(Many slaves wear black shadows on their backs…)
《「えぇぃ、これはもう使いものにならん!」
「うぁぁっ!」
「絶望の谷へ、捨てて来い!」》
遺志いしを継つげる者 奴隷の替え数多あまた
縊死いしを遂とげる者 冥府への逃避行
その影は他の者には視えていないようだったが
(Others can't see the shadow,)
少年は何時からかその存在に気付いていた…そして――
(but the boy is aware of its existence,
he is not even aware of the first time he could notice it and―)
その影を纏いし者はそう遠くない内に確実に死んでいったのである…
(Those who wore that strange dark shadow,
met a certain death in a short period of time… a certain DEATH…)
《「さぁ、貴様ら死にたくなかったら、とっとと働くんだ!」
「急げ!」
「ほれぃ!」
「ぐあぁっ!」
「てぃ!」
「うわぁ!」
「石を運んだものにだけ、食事を与えてやらぁ!」
「うわっ!うわっ!うっ…」
「さぁ働けえぇ!」
「うわ!うわっ…!」
「死ぬまで!働くんだあ!」
「うわぁ!」
「ホレ…ホレ!」》
愛と慈しみ
だけに抱かれ育った少年は
怒りと憎しみだけを抱いて今を耐え忍ぶ
いっそ死んだらラクだなんてきっと今よりマシだなんて
酔った譫言うわごと繰り返して去った希望に追い縋った
そんな負け犬のように運命(ミラ)に飼い馴らされはしない
たとえ奴隷が犬であれ剥くべき牙は忘れない
オオカミは奔る前に満月に吠える
《神官「どこがイイんだい…?言ってごらん~?」
エレフ「あぁっ!」
「…ここか、ここなのか?」
「ああ…っ!」
「ここか?」「うあぁ!」
冥王:『息仔ョネクロス…モット生ヲ憎ムガィィ…ィズレソノ身ハ我ガモノトナル…』
「ここなのか?ほぁっはっはっ…!」「嫌だっ…!」
「ほぉらぁ、ほぉぉぉらぁぁぁぁ…!」
エレフ「くそっ…痛ぇ…あの変態神官…いつか殺してやる……!」
オリオン「よぉ ブサイクちゃん!ひでぇツラだなぁ」
「フン 人のこと言えたツラかよ…」
「…フッ フフッ ちげぇねぇ!」
二人「アハ…ハハハハ!」》
人は誰もが死すべき運命(さだめ)を背負い
儘…抱いて抱かれて寂しさを愛で埋める
されど彼等の多くは死すべき運命(さだめ)を呪い
儘…奪い奪われ虚しさで胸を満たす
少女の頬を伝わる清らかな(けがれなき)雫を
汚らわしき(赤黒き)舌先が掬すくいかけた
刹那
《「逃がさないよ、子猫ちゃん…」
「嫌ぁ…」
「イヒ イヒ イッヒッヒッヒッヒ!」
「嫌ぁ…来ないでぇ!」
「私の渇きを潤してくれぇぇ!」
「うぅ…いやぁ…」
「ヤァァァッ!」
「アアーオォ!う、うおぉぅぅ」
「大丈夫かい、君?」
「エレフ?」
「ミーシャ!?追っ手が来る前に逃げよう!ミーシャ!」「うん!」
「う…うぅ誰ぞおらぬかあぁぁ!」
「てやっ!」
「…待てぇぇ!」
「つかまるんじゃねぇぞ!エレフ!」
「お前こそな!オリオン!」 「ああ!」》
繋いだ手と手(が)駈け抜ける風の都(イリオン)
降り注ぐ星屑夕闇よいやみの風の都(イリオン)
嘆きと死の城壁聳え立つ風の都(イリオン)
振り返る背後に遠離る風の都(イリオン)
《「待て待てぇ!」
「たぁ!」
「ぐわぁ!」
「必殺!“弓がしなり弾けた焔、夜空を凍らせて”射ち!」
「技名長ぇよ、バカ!」
「黙らっしゃい!これぞオリオン流弓術の真髄っ!」
三人?「「…ハハハハッ!」」 》
神域を穢した者を風神は決して赦さない
(Anemos can never forgive those who disgraced god's domain.)
その怒りは 雨女神と交わり 娘を生むだろう……
(The anger fused with Broche and will conceive Thyella…)



08.聖なる詩人の島 -Λεσβος-

《「ソフィア先生、フィリスです。…浜辺で少女が倒れていたので介抱し、連れて参りました。」
「お入りなさい。」
「失礼します。さ…、アルテミシアさん…。」
「あ、はい……。」》
【詩を詠む聖女:Σοφια】
(Sophia, the poetry reading consecrated female.)
嗚呼…哀しみは海の色 蒼く碧く
嗚呼…苦しみは波の音 強く弱く
少女の頬は薔薇色に 輝きて美(うる)わしの
されど若き蕾は 悲しみに濡れて 未だ開かず
閉ざした瞳は対の闇 暗く冥く
鎖ざした菫つぼみは終の夢 甘く苦く
何もない場処(ところ)だけれど 水と光 愛は満ち足りてよ
ようこそ此処は【詩人の島】(レスボス(Λεσβοs)
海原女神(サラサ)と太陽神(イリオス) 腕(かいな)白き美女神(カーラ)の聖域
貴方が見て来たものも 嗚呼…世の真実
不条理ばかり訪れる 嗚於…嫌な現実
されど世界は 其れだけではないのよ
ねぇ…お嬢さん(ミーシャ) 宜しくて?
辛いし痛いし酷いし嫌だと 泣き喚いてみても
運命の白き糸を 人間は紡げない

怖れず揺るがず妬まず恨まず 誰よりも強かに
美(うる)わしく世に咲き誇る 女はなに成りなさい
紡がれる縦糸――
(The Chronos is woven―)
聖女は少女の不思議な力を見抜き
(The consecrated female detects the girl's strange ability,)
彼女が生きる道と術を示した
(She shows her the way and a method to live.)
【記憶の水底】
(The bottom of the water of memories.)
かつて  烈しく  愛した人がいたのよ
されど  遠くへ  行ってしまったわ……
愛とは褥(しとね)に仕える為の 奴隷ではないわ
まして子を孕む為の 道具ではない
嗚呼…天空(てん)を大地(ち)を海原(うみ)を人間(ひと)を 己が運命(さだめ)を愛し
哀しみさえ糧に出来る 女(はな)に成りなさい



09.遙か地平線の彼方へ -Οριζοντας-

【暗誦詩人と其の弟子】
(Milos, blind poet and his disciple.)
《「遅ぇぞジジイ、置いてくぞ」
「ほっほっほっほっほ…」》
少年の今は旅の空 賢人の詩も上の空
幾年も仰ぐ高き空 老人は嗤う蒼き空
少女を尋ね幾千里 海原渡り征く海里
彼女を捜す侭山里 高原臨む彼の郷里
《「言の葉を操り森羅万象を詠う」 》
《「詩とはそもそも神の御業じゃ」》
《「エレフ、創世の三楽神を知っておるか」》
《「ほっほっほっほ…」
 「…リスモス、メロス、ハルモニアの三柱じゃ…」 》
《「…そんな一度に言われても覚えらんねぇよ…。」
「ほっほっほっほ…」 》
《「万物の創造主たる母なる者……」 》
《「リスモスはミラ、メロスはモイラと呼んだそうじゃ」 》
《「前者はパイロン、後者はアルタラーイコン(?)と呼ばれ…」 》
《「それこそが言の葉の起こりと言われっ、ごほっ、ごほっ……!」 》
《「大丈夫かい爺さん?」
「ああ……」
「今日はこのあたりで休もうか?」
「はぁ…。ほっほっほ…」 》
天そらの隨に 咲ける星屑
運命かぜに惑う一片 寄り添う双星

《「あれぞ…お主の星じゃ……」》
嗚於…故郷よアルカディア  倖せだった 
幼き日々の  未だ眩く 
二つ並んだ 野晒しの墓標
朽ちた花飾り 葬ったのは誰ぞ?
《「あぁ…。父様…母様…!」
「気を落とすでないぞエレフ。わしはこの先、雷神殿(ブロンディシオン)に行こうと思うておる。師弟ごっこは此処で終いじゃ。」
「お師匠…!」
「さぁ、お立ちなさい友よ。お主は、お主の地平線を目指して…!」 》
青年は今も旅の空 詩人の島は遠き空
聖女を尋ね復千里 恩人と別れ復海里
《「エレフ、困ったときはレスボス島を訪ねなさい」 》
《「わしの旧知の友が力になってくれるじゃろう…」》
《「マケドニア、トラキアは今危険な情勢じゃ…」 》
《「戦を避けるには海路を行くが良いじゃろう」》
《「友よ、己の信じた道を行きなさい。死すべきもの、我は詠おうぞ。ЭЛэфсеиаエレフセイア(ELEFSEIA)…愛すべき友を…戦いの詩を…」》
【港を賑わす風の噂】
《「おい知ってるか?アナトリアの武術大会の覇者…」
「弓の名手、オリオンだろ?」
「そう、そのオリオン…。何と蝕まれし日の忌み子だからって捨てられた王子様だったらしいぞ…。」
「へぇ、世の中一体どうなってるんだか。」
「その真意は…、
二人:「「"Moiraのみぞ知る"――」」「…ってか?」 》



10.死せる者達の物語 -Ιστορια-

旅人よ お前の背には 黒き闇 死が纏う
残された 季節も知らず 風よ 何処(いずこ)へと吹くのか?
一方その頃――
(Meanwhile――)
東方防衛同盟に参加したアルカディア軍は
(The troops of Arcadia in the east)
女王アレクサンドラ率いる女傑部隊と戦端を開いていた
(Declared war on Amazon, led by Queen Alexandra.)
運命よ お前の手には 白き糸 音に揺られ
紡がれた 所以も知らず 我は 何故(なにゆえ)に征くのか?
一方その頃――
(Meanwhile――)
《「私の負けだ…さあ、殺すがいい!!」
「このレオンティウス、女を貫く槍は持ってはおらぬ」
「気に入ったぞ、レオンティウス。…いずれお前は私のものになるのだ。忘れるなっ!!」》
尚も戦火は世界を駈け廻り
(The fire of battle rages around the world)
翻弄される者達 それぞれの季節が過ぎてゆく
(Many victims suffered in their individual time which is orb.)
嗚於…懐かしき故郷よ(アルカディア(Αρκαδια)
遥けき面影 あの稜線りょうせんは 今も燃えている
秋が廻れば 兄妹(イーズ) また双り 憶い出すのでしょう

《「ずっと一緒にいようね!」
「うん!」
「ミーシャ!」
「エレフ!」 》
夕陽に潜む闇が 今も 紅く胸を抉る
嗚呼…茜空そらよ 人間ひとは何に従うべきで 何を探すべきなのか?
背中で聴いていた鼓動(リスモス) 今でも憶えてる旋律(メロス)
よく似た星を抱いてる 君を何時も傍に感じてる
「さよなら」言ってないだろ また僕らは出逢えるから
何処かで双星ほしを見てる 君を現在いまも傍に感じてる
泣き虫だった兄(アゼルフォス) 少年が剣を取るならば(If the boy selects the sword,)(Ελευ...)エレフ…
お転婆だった妹(アゼルフィー) 少女は楯を取るのだろうか?(will the girl choose the shield?)(μισια...)ミーシャ
る廻る 運命の回転木馬
(the carrousel of destiny keeps going around and around)
物語は幾つかの地平を廻り続ける……
(the story continues around several horizon.......)

《「あんな売女の… Brontes(ブロンディス)に連なる血こそが大事よ…
レオンティウス…貴様さえ生まれてこなければ…!
フフフ…、妾腹(めかけばら)と蔑むなら蔑むがいい…
世界の…王になるのはこの、私だ! …フハハハハ――!」》
手を伸ばし掴んだ筈の宝石は 掌から零れ落ちるものばかり
奪い合い 憎み合い 血を流し続けるのか 戦に明け暮れる世界よ
我等は今 何と戦うべきで 何を守るべきか
嗚呼…星空(そら)よ 人間ひとは何を畏れるべきで 何を愛すべきなのか?
滅びへ向かう光よ 全ての死すべき者達よ
嗚於…同胞(とも)よ 人間ひとは何を育むべきで 何を遺すべきなのか?
いずれ歴史は語るだろう【死せる者達の物語】を……



11.星女神の巫女 -Αρτεμισια-

いつの世も 星屑は人を導き 人を惑わす
(At any given period of time, stardust will either lead or mislead mankind.)
生を憂う娘にも 愛に狂う女にも その光は同様に降り注ぐ……
(A girl who is anxious about her life, a woman who is a lunatic for love, equal on them, the light shines down......)
灯る星は 闇に騒めき 廻り来る焔(ひかり)の明日を示す
夜空を翔ける 星女神めがみの馬車は 地へと向う対の風
嗚呼…開かれし《黄道十二宮》(ホ・トーン・ゾーイディオン(ο των ζωδιων)
御子は星屑の矢で誰を射る?
天球(そら)の隨に…嘆くのは【獅子宮】(レオン)
流る星は 闇に安らぎ 廻り行く焔(ひかり)の明日を示す
夜空に架ける 詩女神めがみの橋は 紫へと至る終の虹
嗚呼…秘られし《黄道十二宮》(ホ・トーン・ゾーイディオン(ο των ζωδιων)
巫女は星屑の灯に何を観る?
天球(そら)の隨に…揺れる【双子宮】(ディデュモイ)
運命(ミラ)の隨に…堕ちる【乙女宮】(パルテノス)

《「嗚呼…エレフ…」 》
我等を試すように…天は絶えず難事を降らす…
その神意を人間(ひと)は疑わずに唯…受け入れることしか出来ない
嗚呼…哀しい運命(さだめ)だと知っても……
宵闇の来訪者 招かれざる者達
(The visitors at dusk, the unwelcomed guests.)
兵装の闖入者 騒乱の星女神殿
(The uniformed intruders, a riotous Astram.)
《「探せ!」
「大変だわ大変だわ…、大変だわ大変だわ!」
「レナ、落ち着きなさい」
「だって、…怖いわよ!」
「あなた方…夜分突然如何なる御用ですか」
「私だって怖いわよ!」
「ここはフィリス様に任せて、逃げましょ!」
「待ってよカティア!」
「…此処を星女神(アストラ)の神域と知っての狼藉ですか!無礼は許しませぬ!!」 》
嗚呼…踊る宵の影 神託に
無慈悲に迫る問の声 選択を
ごめんね…兄さん(エレフ) 誰かを犠牲にしてまで
私は抗えない 儘…運命(ミラ)に従うでしょう……
唯…星は瞬く
《「ミーシャ……!」》



12.死せる乙女その手には水月 -Παρθενος-

神への供物 生贄という名の因習
(The offering to a cruel god. A sacrifice is the name of the ritual.)
加害者は誰で 被害者は誰か?
(Who is the assailant, and who is the sufferer?)
運命は犠牲者を選び また屠るのだろう
(Destiny selects the victims and buries them deep...)
問題となるのは 個の性質ではなく 唯記号としての数量
『Μοιρα』ミラ
《「ごめんね、エレフ…」》
残酷な神が統すべる 私が生まれた世界
怖れず 揺るがず 全てを愛す 女はなに成れたかな……
《「δωρヒュドラよ…受け取り給え…」
「あの…声は……!」》
やがて香かぐわしく 花開く乙女達
咲き誇る季節ときは短し されど
燃ゆる唇に 唯 緋き愛の詩
美(うるわ)しく散るのも また《花の命》(じんせい)《「ミーシャ…先刻訪れた若者は、貴方とよく似た目をしていたわ…」 》

《「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!ミーシャぁぁぁぁあっ……!!」 》
揺れる瑠璃色の月(フェンガリ(Φενγαρι) とても綺麗なのに
悲しまないで 過ぎ去りし灯も 運命(ミラ)の贈り物
死せる蒼白き乙女(パルテノス) とても綺麗だった
やっと逢えたね 捜したんだよ 君の面影を嗚呼…この哀しみは 何に例うべきなのか…
嗚呼…まるで心を 二つに引き裂かれたような 烈しい痛み
ねぇ憶えてる 遠き日の我侭
水面に映る月 手を伸ばす少女終に手に入れたんだね<よ>――
嗚呼…さよなら…さよなら…私の片割れ
嗚呼…さよなら…さよなら…私の片割れ
(Αντιο...Αντιο...το μισο μου
 Oh...Aetio... Aetio...to miso mou
 オー アディオ アディオ トゥ ミーソ ムー)
さよなら…お別れさ<ね>…もうヒトリの私
(Αντιο...Αντιο...το μισο μου
 Aetio... Aetio...to miso mou
 アディオ アディオ トゥ ミーソ ムー)
《「ずっといっしょにいようね!」
「うん、いようね!」
「ミーシャ!」
「エレフ!」 》

天翔る星屑 星女神の憤怒
(Stardust shoots across the sky, Astra's fury.)
寵愛する勇者に授けしは弓矢 神域を侵せし賊には神罰を……
(A bow and arrows are granted to the doted braves, implore Astra to punish the burglars who invaded her territory...…)



13.奴隷達の英雄 -Ελευσευς-

――自由か死か…
(Freedom or Death...)
歴史に刻むのは彼等が生きた戦いの証
(Carved into history is the proof of the battle to which they lived.)
あの日の少年には 空を征く鳥が何よりも自由に見えた
嵐女神(シエラ(Θυελλα)の気紛れで 為す術もなく地に墜ちるというのも知らずに
彼は何処に征くのだろうか?
...(Pou emeis paei paei(ピュー エミ ペーェィ ペーェィ)
ヤァ 息仔ョ(ネクロス)失ゥコトノ 堪ェ難キ痛ミニモ モゥ慣レタカィ?
何もないのだ 希望など遺されていないのだ もうお前<私>には……
(Tipota den paramenei se, se mena emena [se sena esena]......(ティポタ ゼン パラメニイジ, セ メナ エメナ[セ セナ エセナ]…)
(Elpida den paramenei sou, se mena emena[se sena esena]...(イェルピザ ゼン パラメニイジオオ, セ メナ エメナ[セ セナ エセナ]…)
生命(せい)とは 喪われるもの……
《(Hades ksifos Eleuseus ho ton fobos se Thanatos( ハデス クシフォス エレク(ウ)セウス ホォトン フォボス セ タナトス)
(Monos lykos Eleuseus forte Hellenes gia Thanatos)モノス リコス エレク(ウ)セウス フォルテ へレーネス ヤ タナトス)
訳:冥界の剣エレフセウス死を与える死神と化す 一匹狼エレフセウス同胞へ死をもたらす》
あの日の少年――
(A boy from that day―)
運命に翻弄され続けし者――
(Those who are tossed by destiny―)
黒き剣を取った彼の復讐劇が始まる
(His road to revenge begins by selecting the black sword.)
《「とうっ!」
「せいやっ」
「モタモタ、するなっ!」 》
月日流れても 繰り返す愚行
血汐流しても 止められぬ不幸
何処へ 何処へ 何処へ向かって行くのかしら?
(kapou, kapou, pigaino kapou? カプ カプ ピイェヌン カプ ?)
何故に 何故に 何故に行かなければならないのかしら?
(giati, giati, prepei na pate? ギァティ ギァティ プレピ ナ パテ ?)
平等なんて幻想 死以外の約束など 交わせはしない
《「この場で、引っ捕らえて殺してやろうかぁ!」
「てやあぁ…!」
「いつまで繰り返すのだ、…Moiraよ!」》

人間ひとは皆 運命の哀しい奴隷だというのに
その奴隷が 奴隷を買うなど 笑えぬ喜劇だ
諦めるな 抗うのさ 無力な奴隷は嫌だろ?
剣を取る勇気があるなら 私と共に来るがいい
《(Hades ksifos Eleuseus ho ton fobos se Thanatos(ハデス クシフォス エレウセク(ウ)ス ホォトン フォボス セ タナトス)
(Monos lykos Eleuseus forte Hellenes gia Thanatos)モノス リコス エレウセク(ウ)ス フォルテ へレーネス ヤ タナトス) 》
《オルフェウス:「お待ちください…!」》
――自由か死か…
(Freedom or Death...)縦糸は紡がれ 時代は廻る 紫眼の狼と呼ばれし男
 (The Chronos is weaved, Time goes around. A man called Amethystos.)
各地の奴隷達を率いて 異民族が統べる鉄器の国へと奔った
 (Leading slaves each place, He headed to the country of ironwear which is mastered by Barbaroi.)
神が持つ永遠に比ぶれば 人間は刹那
 (If you compare the eternity which belongs to God, the human is momentary.)
冥闇は世界を侵し 英雄達は流る星へと消えて逝く
 (Darkness soaks the world, heroes vanish like shooting stars.)
傀儡と化した王 かつての勇者を射た星屑の矢
 (The King became a puppet, and arrow of stardust would shoot the mighty Warriors of the past,)
其の射手を刺したのは蠍の毒針 其の蠍を屠ったのは雷の獅子

 (The Scorpion stung the Shooter, the Lion of thunder beat the Scorpion.)
死せる英雄達の戦いは未だ終わりを告げず―― (The battle of dying heroes yet to reach the end―)
東方より来る足音 運命に導かれ やがて二匹の獣は出逢うだろう……
 (A footstep from the east led by destiny, the paths of the two beasts will inevitably cross...…)



14.死せる英雄達の戦い -Ηρωμαχια-

《「死を招く紫水晶の瞳…。あの者と戦ってはなりません。」
「何故です、母上…」
「貴方は平凡な生より、英雄としての死を望むというのですか?」
「…母上、死すべき者達が、私を待っているのです。」
「行かないでおくれ…!あの者は…!」
「はっ!!」
「レオン!…嗚呼っ!!…レオンティウス!!」》
《「…アメティストス将軍に続けー!」》
【歴史は駈け廻る】
(The chronicles of Mythos. It's as rapid as the blink of an eye. )
《「小雨がちらちらと煩わしいですね…」
「安全圏からしか撃てぬ腰抜けどもめ!」
「弓兵は、相手にせずとも良い。オリオン亡き今、奴等は只の雑魚に過ぎん…」
「閣下、敵の指揮官はどうやら…」
「猪突猛進しか知らぬ馬鹿のようですね」
「ですな」
「シリウス、お前の部隊は左、 オルフ、お前の部隊は右から廻れ、挟撃するぞ!」
「はっ!」
「了解!」 》
コーラス↓
《イロマキアもしくは…アタナティ!(athanati)(意味:死せる軍だと思われます)》
《「待たぬか…!」》
不死なる者が薙ぎ払う 紅い緋い死の渚

今は物言わぬ屍 彼等にも物語があった
されど ささやかな希望(みらい)さえ 運命(うんめい・ミラ)は赦さなかった
変わり果てた彼等に 接吻くちづけする者は 愛する恋人ひとではなく 飢えた禿鷹のみ…
《(Hades ksifos Eleuseus ho ton fobos se Thanatos)
(ハデス クシフォス エレク(ウ)セウス ホォトン フォボス セ タナトス)
(Monos lykos Eleuseus forte Hellenes gia Thanatos)
(モノス リコス エレク(ウ)セウス フォルテ へレーネス ヤ タナトス)
訳:冥界の剣エレフセウス死を与える死神と化す 一匹狼エレフセウス同胞へ死をもたらす》
《「久しいな、イーリオンよ…我等、忘れはしまいわ!お前を守る盾が、誰の血によって築かれた物かをなぁ!」
「号令をぉ閣下ぁああー!!」
「突撃ぃぃぃぃいいいっっ!!!!」 》
《「殿下!イーリオンが落ちました…!」
「何!?」
「件のアメティストス率いる、奴隷部隊の仕業のようです!」
「馬鹿な、アネモスの加護篤き、あの城壁を……!」
「アネモスの 眷属、英雄イーリアスをも討ち倒す程の武勇!
…奴もまた陛下と同じく、神の眷属なのやも知れませんぞ…!」 》

レグルスは東夷(バルバロイ)に備えろ《「はっ!」》
ゾスマは北狄(アマゾン)に備えろ《「はっ!」》
カストルは聖都(イリオン)へ供を《「はっ!」》
我等【雷神に連なる者】(アルカディオス) 皆生きてまた逢おうぞ!
『運命は残酷だ されど彼女を怖れるな
女神ミラが戦わぬ者に 微笑むことなど決してないのだから』
『人間ひとは皆 何時までも無力な奴隷ではない
戦うのだ 気紛れな運命かみと 未来を取り戻す為』
【遂に出逢し二匹の獣】
(At last... The path of two beasts had crossed.)
《「奴がアルカディアの……憎き地の国王……ミーシャの仇!!」
「勇者デミトリウスが仔、レオンティウス…!私が相手になろう!」
「望むところだぁ!!」》
奪い合う 時代ときの覇権 永遠とわなる調べよ
駈け廻る趨勢すうせい 生命せいは流星 刹那の煌きらめき
死せる者達が 駈け抜けた 神話の時代よ
屠り合う英雄 死して冥友めいゆう 去り逝く運命さだめ
《「くっ…アメティストス、やはり只者ではない…!」
「ふんっ!」
「はっ…!」
「この男、強い…!」
「なぜこれ程の男が…」
レオンティウス…

「アメティストス…へレーネスのお前が何故、バルバロイの侵略に加担するのだ!」
…エレウセウス…
「祖国が私に何をしてくれた……愛する者を奪っただけではないか! 嗤わせるなぁあ!!」
「はぁっ!!!」
「おやめなさい!!!」
「は、母上っ!?」
「…ぬわぁ!」
「あぁっ…!」
「レオン…エレフ…おやめなさい…っぁ…」
「母上…Moiraよ…!…うっ……。」
「私を置いて逝くな!…許さんぞ……!レオンティィウース!!!」
「うぅっ!! ぐふっ……。」
Thanatos…》



15.神話の終焉 -Τελος-

――そして
(And then―)
或る男の手により冥府の扉が 開 かれる
(The gates of Hades is opened by the hands of a man.)
…其れこそが…永き神話のオワリを告げる
(It is this, that sentence the end of the long long mythos...)
彼の無情な戦い【死人戦争】のハジマリであった
(The sterile and heartless battle, the very beginning of Nekromachia.)
《「Moiraよ……これが…、貴柱ノ望ンダ世界ナノカ――!!」》
《「…黙したまま…何も語らぬ…神は…生きているのか…、死んだのか…?」
「貴方、聞いて下さいな。遂に私のお腹に、私たちの愛の結晶が宿りましたわ!」
「Oh…オオオォォォォォォオオおおお…ぉぉ!!!! 」
「お医者様のお話では、双子かもしれないのですって!」
「オォおおお!!エイレーネ!!愛しの我が妻よぉ!」
「…もう…。」

「ハラショー!!ハラショーーーー!!ハラショォーーーー!!!」
「貴方ったらぁ…。」
「生まれてくる子供の名は、遠い昔にもう、決めてあるのですぞぉおおー!!」 》
老婆であるとも…少女であるとも…詩人が騙るように…神話は物語る…
(So as an old woman...or as a little girl...like a puppet dance...Mythos tells the story...)
万物の母たる創造主
(The creator, the mother of all life,)
運命の女神
(Goddess of destiny...)
『Μοιρα』
(Moira.......)
未だその姿を見た者はいない……
(No eye has ever gazed upon her...…)



16.神の光 - Μοιρα -


儘…問に惑い → 解を違え → 累の海へ堕つる…
唯…愛を求め → 生を奪い → 灰が空に舞う…
嗚呼… 火を騙り 風を穢し…
嗚呼… 地を屠り 水を腐す…
軈て 人間あなた方は 神を殺し 畏れを忘るるだろう…
『其れでも、お征きなさい仔等よ』
時を運ぶ縦糸――
(Chronos, the vertical bearer of time.)
命を灯す横糸――
(Bios, the horizontal flame of life.)
其を統べる紡ぎ手…其の理を運命と呼ぶならば……
(The weaver of the universe uses both strings...if this is the reason we call them destiny......)
Moira...
...Thanatos
Moira?

全專輯打包下載:「Moira」


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