2013/10/22

【SH】3rd Major Album:5th Story CD - Roman。



Roman
Major 3rd Album:5th Story CD
2006年11月22日発売
価格:¥3,500(税込)(初回限定盤)
価格:¥3,000(税込)(通常盤)


01.朝と夜の物語

生まれて来る朝と死んで行く夜の物語[Roman(ロマン)]…Laurant(ローラン)
嗚呼…僕達のこの寂0302さは 良く似た色を0302た《宝石[Pierre(ピエール)]》

生まれて来る意味
死んで行く意味
君が生きている現在(イマ)
11文字の《伝言[Message(メッサージュ)]》
幻想物語[Roman(ロマン)]
『第五の地平線』
Roman…
「嗚呼…其処にロマンは在るのだろうか…」

泣きながら僕達は来る
同じ苦0302みを抱き0302めて笑いながら僕達は行く
遥か地平線の向こうへ
廻り合う君の唇に
嗚呼…僕の詩を灯そう…La vie(ラ ヴィー)
いつの日か繋がる《物語[Roman(ロマン)]》
泣きながら僕達は来る
同じ哀0302みを抱き0302めて
笑いながら僕達は行く
遥か地平線の向こうへ
廻り合う君の唇に
嗚呼…僕の詩を灯そう…La vie(ラ ヴィー)
僕達が繋がる《物語[Roman(ロマン)]》
生まれて来る朝と
死んで行く夜の物語[Roman(ロマン)]…Laurant(ローラン)
嗚呼…僕達のこの切な0302は
良く似た色を0302た《美花[Fleur(フルール)]》

太陽の風車
月の揺り籠
彷徨える《焔(ヒカリ)》の物語[Roman(ロマン)]
壊れた人形
骸の男
時を騙る《幻想(ヤミ)》の物語[Roman(ロマン)]
右腕には菫の姫君…[C'est mademoiselle violette, qu'il est dans le bras droit.(セ マドモワゼル ヴィオレット キ レ ダン ル ブラ ドロワ)]
そ0302て…[et(エ)]
左腕には紫陽花の姫君…[C'est mademoiselle hortense, qu'il est dans le bras gauche.(セ マドモワゼル オルタンシア キ レ ダン ル ブラ ゴーシュ)]

嗚呼…僕の代わりに廻っておくれ…其の世界には――僕が生まれてくるに至る物語[Roman(ロマン)]はあるのだろうか?
「さぁ…行っておいで…」
『Oui Monsieur(ウィ ムスィウー)…』

廻り来る生のざわめき…
太陽の風車…
廻り往く死の安らぎ…
月の揺り籠…
我等は彷徨える 追憶に揺れる
《風車[Moulin a vent(ムーラン ナ ヴァン)]》
廻り往く何の地平にも
詩を灯すで0302ょう……

此れは――生まれて来る前に 死んで行く僕の物語[Roman(ロマン)]…Laurant(ローラン)
嗚呼…僕達はもう逢えなくても 現在(イマ)を生きて往く《憧憬[Roman(ロマン)]》――詠い続けよう
 君が迷わぬように…
(探し)朝と夜の狭間で
焔は揺らめき宝石を掴もうと
腕を伸ばし風車が廻れば
星屑は煌めき天使が笑いし
美しき幻想と葡萄酒の夢に
賢者も忌避する伝言の真意
地平線は真実
右手に死を左手に生を
傾かざる冬の天秤…
『…ありがとう(Merci)』
『…さようなら』
Roman…
(…其処にロマンは在るのかしら?)
(…其処にロマンは在るのだろうか?)
(…ありがとう…)
(…嘘をついているのは誰か…)



02.焔

幾許かの平和と呼ばれる光
其の影には常に悲惨な争いが0101った
葬列に参列する者は
皆一様に口数も少なく雨に濡れながらも
歩み続けるより他にはないのだ
瞳を閉じて暗闇(ヤミ)に
吐息を重ねる
そっと触れた温かな光は
小さな鼓動[ne(ネ)否定接続詞]で綴じた書物(カミ)が歴史を操る
そっと振れた灼かな光は
誰かの『焔』
気付けば道程は
常に苦難と共に0101った耐えられぬ痛みなど
何一つ訪れないものさ…
歓びに咽ぶ白い朝
哀しみに嘆く黒い夜
我らが歩んだ此の日々を
生まれる者に繋ごう…
瞳に映した蒼い空
涙を溶かした碧い海
我等が愛した此の世界(バショ)を
愛しい者に遺そう…
嗚呼…朝と夜は繰り返す
煌めく砂が零れても…
嗚呼…朝と夜は繰り返す
愛した花が枯れても…
嗚呼…朝と夜は繰り返す
契った指が離れても…
嗚呼…朝と夜は繰り返す
《生命(ヒト)》は廻り続ける……美しい『焔(ヒカリ)』を見た
死を抱く暗闇の地平に
憎しみ廻る世界に幾つかの『愛の詩』を灯そう…
何れ程夜が永くとも
何れ朝は訪れる―
独りで寂しくないように《双児の人形[La poupee(ラ プウペ)]》を傍らに
小さな棺の揺り籠で
目覚めぬ君を送ろう…
歓びに揺れたのは《紫色の花[Violette(ヴィオレット)]》
哀しみに濡れたのは《水色の花[Hortensia(オルタンシア)]》
誰かが綴った此の詩を
生まれぬ君に贈ろう…
歴史が書を創るのか
書が歴史を創るのか
永遠を生きられない以上
全てを識る由もなく朝と夜の地平を廻る
『第五の旅路』
離れた者が再び繋がる日は訪れるのだろうか?
懐かしき調べ
其れは誰の唇か―
嗚呼…《物語[Roman(ロマン)]》を詩うのは……

『其処にロマンは在るのかしら…?』



03.見えざる腕

眠れぬ宵は路地裏の淫らな雌猫[chatte(シャット)]に八つ当たりして…
嗚呼…見えざるその腕で首を絞める…
《夢幻影[Fantome do reve(ファントム ド レーヴ)]》壊れゆく自我[Ego(エゴ)の痛み…
狂えぬ酔いは屋根裏の小さな居城[Chateau(シャトー)]を転げまわる…
嗚呼…見えざるその腕の灼ける痛み…
《幻肢痛[Fantome douleur(ファントム ドゥルール)]》安酒を浴びて眠る…
「…アルヴァレス将軍に続け!」
黄昏に染まる古き獣の森…戦場で出逢った二人の男…
金髪の騎士[Laurant(ローラン)]…赤髪の騎士[Laurant(ローラン)]…
争いは巡り…屍を積み上げる…
加害者は誰で…被害者は誰か?
斜陽の影に刃は緋黒く煌めいて――
片腕と共に奪1001れた彼の人生[Sa vie(サ ヴィー)]
仕事は干され恋人は出ていった…
何もかも喪った奪1001れた最低な人生[La vie(ラ ヴィー)]
不意に襲う痛みに怯える暮らし……
「大抵の場合[le plus souvent(ル プリュ スウヴァン)]…貴方はうなされ殴るから…
私は…此の侭じゃ何れ死んでしまう1001…
さよなら[Au revoir(オ ルヴォワール)]…貴方を誰より愛してる…
それでも…お腹の子の良い父親[Pere(ペール)]には成れない1001……」
葡萄酒[tu Vin(テュ ヴァン)]…発泡葡萄酒[tu Champagne(テュ シャンパーニュ)]…蒸留葡萄酒[tu Eau de Vie(テュ オー ド ヴィ)]…
嗚呼…眠りの森の静寂を切り裂き…また奴が現れる――
馬を駆け姿…正に 悪夢 …赤い髪を振り乱して…振う死神の鎌…
首を刈る姿…正に 風車 …緋い花が咲き乱れて…奪う精神の針…
闇を軽るく纏った――
夢から覚めた現実は 其れでも尚も悪夢(ユメ)の中
故に…其の後彼の人生は 酒と狂気…廻る痛みの中
左の頬に十字傷 赤く燃える髪に鳶色の瞳
奴を…殺せと腕が疼くのだ 『見えざる腕』が疼くのだ……
誰が加害者で…誰が被害者だ…死神を捜し葬ろう……
「殺してくれる…!」
騎士[Chevalier(シュヴァリエ)]は再び馬に跨り…時は黙したまま世界を移ろう……
異国の酒場で再び出会った二人の男[Laurant(ローラン)]
隻眼にして隻腕 泥酔状態(アルチュウ)にして陶酔状態(ヤクチュウ)…
嗚呼…かつての蛮勇 見る影も無く……
不意に飛び出した 男の手には黒き剣[Epee Noir(エペ ノワール)]
「退け」 「うわぁぁっ!」
周囲に飛び散った液体[sang(サン)] まるで葡萄酒[Pinot noir(ピノ ノワール)]
「何者だ貴様……んっ…ぐあぁぁぁ!」
刺しながら…供された手向けの花の名――「こんばん1001[Bon soir(ボン ソワール)]」
「Bon soir(ボン ソワール)」
抜きながら…灯された詩の名――「さようなら[Au revoir(オル ヴォワール)]」
「Au revoir(オル ヴォワール)」
崩れ落ちた男の名は Laurant(ローラン) …走り去った男の名は Laurencin(ローランサン) …
「はははははははは…ッ!」
もう一人のの Laurant(ローラン) は…唯…呆然と立ち尽くしたまま……
誰が加害者で…誰が被害者だ…犠牲者ばかりが増えてゆく…
廻るよ…廻る…憎しみの風車が…躍るよ…躍る…焔のように…
嗚呼…柱の陰には…少年の影が…鳶色の瞳で…見つめていた……
「人生は儘ならぬ…されど…
此の痛みこそ 私が生きた証なのだ…」
復讐劇の舞台を降ろされ…男は考えはじめる…
残された腕…残された人生…見えざるその意味を――
杯を満たした葡萄酒…その味1001いが胸に沁みた……

『其処にロマンは在るのかしら…?』



04.呪われし宝石

「ヘマすんじゃねぇぞ Laurencin(ローランサン)」
「へっ お前こそな Hiver(イヴェール)」
母なる大地が育んだ奇蹟 世界最大と謳われし貴石 30ctの[Trentieme Carat(トラントゥ カラット)]赤色金剛石[Diamant Rouge(ディアマン ルージュ)]
所有者を変え渡り歩いた軌跡 特典は予約済みの鬼籍 30ctの[Trentieme Carat(トラントゥ カラット)]『殺戮の女王[Reine Michelle(レーヌ ミシェル)]』
鎖された硝子[Verre(ヴェール)] 優雅に眠る宝石[Pierre(ピエール)] 過ぎ去りし日の 夢 の中
厳格なる幻喪[Deuil(ドゥイユ)] 傅かざる矜持[Orgueilleux(オルグイー)] 死神さえも 腕 の中
『彼女』こそが女王[Reine(レーヌ)] 抗う者は皆無 檻の外へは逃さない
狡猾な少女[Fille(フィーユ)] 影と踊った老婆[Vieille(ヴィエイユ)] 幾つもの首を彩った
派手な娼婦[Courtisane(クルチザンヌ)] 泥に塗れた王妃[花] 幾つもの首を刈獲った
廻り巡る情景[Scene(セーヌ)] 色鮮やかな幻夢 喪うまでは逃がさない……
【祝い】が【呪い】に代わる 運命の皮肉
『彼女』の誕生にまつわる 知られざる《物語[Roman(ロマン)]》
男は掘った 薄暗い穴を 墓穴と知らずに
男は掘った 奈落へと至る 洞穴と知らずに
鎖された闇の中で 運命(トワ)に抱かれ
寝食さえも忘れて 掘った
灯された詩の中で 躍るように
侵蝕された歯車 斯くて狂ったように廻り[Et il tourne follement(エ イル トゥーヌ フォルマン)]……
――男を誘う不思議な霧…
眼前に現れたのは かつて見た事の無い美しき原石
その魔力に引き寄0304られるかのように 男は震える手を伸ばした……
【幸運[Bien chance(ビアン シャンス)]】…嗚呼…これまで苦労をかけた 可愛い妹[Noel(ノエル)]よ
【幸運[Bien chance(ビアン シャンス)]】…嗚呼…これなら胸を張って 送り出0304r……
 欲に目が眩んだ鉱山[Mine(ミーヌ)]の管理者[Concierge(コンシェルジュ)] →
 眼の色を変えた鷲鼻の宝石商[Commercante(コメルサント)] →
 我が眼を疑った隻眼の細工職人[Artisanat] →
 廻るよ廻る…死神[Dieu(ディユー)]の回転盤[Roulette(ルーレット)]  →
堅牢に見える倫理の壁にも 時に容易な穴が空く…
【不運[Mal chance(マル シャンス)]】…嗚呼…帰らぬ兄を待ってる 嫁げぬ妹
【不運[Mal chance(マル シャンス)]】…嗚呼…変わらぬ愛を待ってる 冬の夜空……
「もう…Hiver兄様…」
頬杖…溜息…人形師の娘…窓辺に佇む《双児の人形》――
「はぁ…いつお戻りになるのかしら…」
鎖された硝子[Verre(ヴェール)] 優雅に眠る宝石[Pierre(ピエール)] 過ぎ去りし日の夢の中
忍び寄る影[Ombre(オンブル)] 溶け込む緋の闇[Tenebres(テネーブル)] 盗賊達は部屋の中
失敗(ヘマ)をすれば刑罰[Peine(ペイヌ)] 命を懸けた任務 狙った獲物(モノ)は逃さない……
「やっべぇ…ズラかるぞ!」
「おい!待ってくれよ!」
白馬に乗らざる王子[Prince(プランス)] 些か乱暴な接吻[Baiser(ベゼ)]
嗚呼…『彼女』が再び世に解き放たれる……
母なる大地が育んだ奇蹟 世界最大と謳われし貴石 30ctの[Trentieme Carat(トラントゥ カラット)]赤色金剛石[Diamant Rouge(ディアマン ルージュ)]
所有者を変え渡り歩いた軌跡 特典は予約済みの鬼籍 30ctの[Trentieme Carat(トラントゥ カラット)]『殺戮の女王[Reine Michelle(レーヌ ミシェル)]』

『其処にロマンは在るのかしら…?』



05.星屑の革紐

「こん0502ちわ、はじめまして![Salut enchantee(サリュー アンシャンテ)]」
差し出した手を――
嗚呼…可愛い私のお姫様[Etoile(エトワール)] 小さな指で懸命0502握り返してくる
あなたの歩む道程が 輝くよう0502『星』と……[Etoile(エトワール)]
ある雨の朝…いつものよう0502少女が目を覚ますと…
寝具(ベッド)の横0502は優しい父親…そして大きな黒い犬が居た…
雨の匂い…くすぐったい頬…どこか懐かしい温もり…
小さな姉と大きな妹…二人と一匹…家族となった特別な朝……
嗚呼…私は星を知らない 遠すぎる光は届かないから…
嗚呼…僅かな視力でさえも 何れ失うと告げられている…
ごめんなさい…お母さん…この名前…[Excusez-moi…Ma mere…Ce nom…(エクスキュゼ モワ モン ペール ス ノン)]
どうしても好き0502なんてなれないよ…[Je ne peux pas, c’est absolument dur a aimer(ジュ ネム パ セ アブソリュマン デュ リ メーム)]
嗚呼…ごめんなさい……[Ah..excusez-moi……(エクスキュゼ モワ)]
勇気を出して――
嗚呼… Pleut(プルー) と屋外(ソト)へ出たけど 歩く速度が抑違うから…
嗚呼…暗闇0502沈む世界では ちょっとした段差でも転んでしまう
ごめんなさい…父さん…この両眼…[Excusez-moi…mon pere…ce yeux…(エクスキュゼ モワ モン ペール スイユ)]
どうしても好き0502なんてなれないよ…[Je ne peux pas, c’est absolument dur a aimer(ジュ ネム パ セ アブソリュマン デュ リ メーム)]
嗚呼…ごめんなさい……[Ah..excusez-moi……(エクスキュゼ モワ)]
細い革紐[Harnais(アーネ)]じゃ――
心までは繋げないよ…愛犬[Pleut(プルー)]が傍0502いたけど…私は孤独(ヒトリ)だった……
別々0502育った者が…解り合うのは難しい…
ましてや人と犬の間であれば…尚更の事である…
それからの二人は…何をする0502も何時も一緒だった…
まるで…空白の時間
を埋めようとするかのよう0502…
姉は甲斐甲斐しく妹の世話を焼き…妹は姉を助けよく従った…
父の不自由な腕の代わり0502なろうと…何事も懸命0502…
其れは…雨水が大地0502染み込むよう0502しなやか0502…
根雪の下で春を待つよう0502…小さな花を咲かせるよう0502…
急0502吹いた突風[Rafale(ラファール)]0502手を取られ…革紐[Harnais(アーネ)]を離したけど…
もう何も怖くなかった…『見えない絆[星屑のHarnais(アーネ)]』で繋がっていたから…
弱い姉だ――
それでも嗚呼…ありがとうね…妹[Pleut(プルー)]が傍0502いたから…
私は何処へだって往けた……
大好きだよ…妹[Pleut(プルー)]が傍0502いたから…私は強くなれた……
星空0502抱かれて夢を見た…貴方が産まれてきた朝の追憶を…
銀色0502輝く夢の中…零れた砂が巻き戻る幻想を…
嗚呼…何の為0502遣って来たのか…最期0502判って良かった――
忘れないよ…君と歩いた…暗闇0502煌めく世界を…
(忘れないで) (母)  (苦しみ)(揺らめく)
いつだって…嗚呼…人生(セイ)は星屑の…輝きの中0502在ることを……
          (愛)       (瞬き)
祈りの星が降り注ぐ夜 → 黒犬[Pleut(プルー)]は静か0502域を引き取った…
悼みの雨が降り注ぐ朝 → 冷たくなった彼女の腹から取り出されたのは
光を抱いた小さな温もり → 濃く銀の毛並みを持つ仔犬だった →
――そして《物語[Roman(ロマン)]》の翼は地平線を軽々と飛び越えるだろう
やがて懐かしくも 美しき あの《荒野》を駈け廻る為0502……

『其処にロマンは在るのかしら…?』



06.緋色の風車

廻る回る《緋色の風車[Moulin rouge(ムーラン ルージュ)]》綺麗な花を咲かせて
躍る踊る《血色の風車[Moulin rouge(ムーラン ルージュ)]》綺麗な花を散らせて
小さな掌に乗せた硝子細工…
其の宝石を『幸福』と謳うならば…
其の夜の蛮行は時代にどんな爪痕を遺し…
彼等にはどんな傷痕を残したのか…
運命に翻弄される弱者の立場に嘆いた少年は…
やがて『力』を欲するだろう…
其れは…強大な力から身を守る為の『楯』か?
其れとも…より強大な力でそれをも平らげる『剣』か?
何が起こったのか 良く解らなかった…
泣き叫ぶ狂乱[Lune(リュネ)]の和音[Harmonie(アルモニー)] 灼けた屍(ニク)の風味[Saveur(サヴール)]…
何が襲ったのか 良く解らなかったけど…
唯…ひとつ…此処に居ては 危ないと判った…
僕は一番大切な《宝物(モノ)》を
持って逃げようと → 君の手を掴んだ……
嗚呼…訳も解らず息を切らせて走っていた二人
欲望が溢れだすままに暴れて奴らは追い掛けてくる……
星屑 を辿るように…森へ至る闇に潜んだままで…
訳も解らず息を殺して震えていた二人
絶望が溢れだすことを怖れて強く抱き合っていた――
不意に君の肢体が宙に浮かんだ →
怯え縋るような瞳が ← 逃げ出した僕の背中に灼きついた……
狂0105しい《季節(トキ)》を経て…少年の《詩(トキ)》は流転する…
廻る回る《緋色の風車[Moulin rouge(ムーラン ルージュ)]》灼けつく《剣(トキ)》を送って
躍る踊る《血色の風車[Moulin rouge(ムーラン ルージュ)]》凍える《瞬間(トキ)》を迎えて
嗚呼…もし生まれ変わったら 小さな花を咲かせよう…
ごめんね…次は逃げずに 君の傍らで共に散ろう……Moulin rouge(ムーラン ルージュ)

『其処にロマンは在るのかしら…?』



07.天使の彫像

後の世に【神の手を持つ者】――と称される彫像家『Auguste Laurant(オーギュスト ローラン)』
戦乱の最中に失われ 平和と共に姿を現したとされる
未だ神秘の薄布(ヴェール)に包まれた彫像
彼の稀代の傑作『天使[Ange(アンジュ)]』に秘められし知られざる《物語[Roman(ロマン)]》……
「物言わぬ冷たい石に 生命を灯せる等と俗人達が謳うのは 唯の驕りに過ぎぬ在る物を唯在る様に 両の手で受け止めて温もりに接吻けるように 想いを象るだけ……」
風車小屋[Moulin a vent(ムーラン ナ ヴァン)]》
空を抱いて 廻り続ける丘の上工房[atelie(アトリエ)]は他を拒むように
静かに佇む影…彼は唯独りで描いた 我が子の表情(カオ)も知らずに……
【足り0501いのは小手先の素描力[Dessin(デッサン)]では0501い
――現実をも越える想像力[Imagination(イマジナシオン)]】
「嗚呼…光を…嗚呼…もっと光を…『即ち創造[Creation(クレアシオン)]』…憂いの光を……」
生涯逢わぬと誓い0501がら足げく通う修道院[Monastere(モナステール)]子供達の笑い声

壁越しに聴いている…
「君の手が今掴んでいるであろう その《宝石(イシ)》はとても壊れ易いその手を離しては0501らない 例え何が襲おうとも……

彼は日々独りで描いた 我が子の笑顔(カオ)も知らずに……
【必要0501のは過ぎし日の後悔[Regret(ルグレ)]では0501い――幻想をも紡ぐ愛情[Affection(アフェクシオン)]】
「嗚呼…光を…嗚呼…もっと光を…『即ち贖罪[Expiation(エクスピアシオン)]』…救いの光を……」
如何0501る賢者であれ
零れる砂は止められ0501い彼に用意された銀色の砂時計
残された砂はあと僅か……
母親の灯を奪って この世に灯った小さ0501いその輝きを憎んでしまった
愚か0501男の最期の悪足掻き…
想像の翼は広がり やがて『彫像』の背に翼を広げた
――「嗚呼…もう想い遺すことは0501い やっと笑ってくれたね……」
「もういいよ…お父さん[papa(パパ)]…」

『其処にロマンは在るのかしら…?』



08.美しきもの

君の大好きなこの旋律[Melodie(メロディ)]…大空へと響け口風琴[Harmonica(アルモニカ)]…
天使 が抱いた窓枠の画布[Toile(トワル)]…ねぇ…その風景画[Paysage(ペイザージュ)]…綺麗かしら?
其れは[C'est(セ)]――
風が運んだ…淡い花弁…春の追想…
綺麗な音…唄う少女[Monica(モニカ)]…鳥の囀0902…針は進んだ →
其れは[C'est(セ)]――
蒼を繋いで…流れる雲…夏の追想…
綺麗な音…謡う少女[Monica(モニカ)]…蝉の時雨…針は進んだ →
綺麗だと…君が言った景色…きっと忘れない…
『美しきもの』…集める為に…命(ヒト)は遣って来る……
君が抱きしめた短い季節[Saison(セゾン)]…痛みの雨に打たれながら…
「心配ないよ」…笑って言った…君の様相[Visage(ヴィザージュ)]忘れないよ……
其れは[C'est(セ)]――
夜の窓辺に…微笑む月…秋の追想…
綺麗な音…詠う少女[Monica(モニカ)]…
虫の羽音…針は進んだ →
其れは[C'est(セ)]――
大地を包み…微睡む雪…冬の追想…
綺麗な音…詩う少女[Monica(モニカ)]…時の木枯…針は進んだ →
綺麗だね…君が生きた景色…ずっと忘れない…
『美しきもの』…集める為に…生命(ヒト)は過ぎて行く……
君が駈け抜けた眩い季節[Saison(セゾン)]…病の焔に灼かれながら…
「嗚呼…綺麗だね」…笑って逝った…君の面影[Image(イマージュ)]忘れないよ……
君が生まれた朝…泣き虫だった私は…小さくても姉となった――
嬉しくて…少し照れくさくて…とても誇らしかった……
苦しみに揺蕩う生存の荒野を
『美しきもの』探すように駈け抜けた
果てしなき地平へ旅立つ君の寝顔
何よ0902美しいと思ったよ……
君の大好きなこの旋律[Melodie(メロディー)]…大空へと響け口風琴[Harmonica(アルモニカ)]…

天使が抱いた窓枠の画布[Toile(トワル)]…ねぇ…その風景画[Paysage(ペイサージュ)]…綺麗かしら?
「私は 世界で一番美しい《焔(ヒカリ)》を見た
その花を胸に抱いて Laurant(ローラン)の分も詠い続けよう…

『其処にロマンは在るのかしら…?』



09.歓びと哀しみの葡萄酒

其れは…歓びに揺らぐ《焔》…悲しみに煌く《宝石》…
多くの人生…多くの食卓に…彼女の『葡萄酒[Vin(ヴァン)]』があった――
横暴0501運命に挑み続けた女性『Loraine de Saint-Laurent(ロレーヌ ド サン ローラン)』
大地と共に生き続けた彼女の半生…その知られざる《物語》
嗚呼…彼女は今日も畑に立つ 長いようで短い《焔(ヒカリ)》
得たモノも喪ったモノも 多くが通り過ぎた…
嗚呼…季節[Saison(セゾン)]が幾度廻っても 変わらぬ物が其処に在る
優しい祖父[Grand-pere(グラン パ)]の使用人[Employe(アンプロワイェ)] 愛した彼との『葡萄畑[Climat(クリマ)]』
嗚呼…追想はときに ほの甘く
熟した果実を もぎ獲るよう0501悦び[Plaisir(プレズィール)]…
嗚呼…葡萄樹[vigne(ヴィーニュ)]の繊畑0501[Delicat(デリカ)]剪定は 低温で少湿が理想
造り手達[Vigneron(ヴィニュロン)]の気の早い春は 守護聖人の祭[Saint Vincent(サン ヴァンサン)]
の後に始まる…
嗚呼…無理0501収量[Quantite(カンティテ)]を望めば 自ずと品質[Qualite(カリテ)]が低下する
一粒[Un grain(アン グラン)]…一粒に[Et un grain(エ タン グラン)]…充分0501愛情[Amour(アムール)]を それが親の役割……
嗚呼…追想はときに ほろ苦く
傷んだ果実を もぎ獲るよう0501痛み[Peine(ペイヌ)]…
嗚呼…女は政治の道具じゃないわ…
愛する人と結ばれてこその人生[La vie(ラ ヴィー)]
されど…それさえ侭成らぬのが貴族[Nobles(ノーブル)]
そん0501『世界(モノ)』捨てよう……
「残念ダッタネェ…」
博愛主義を纏った父親[Pere(ペール)]…浪費するために嫁いで来た継母[Mere(メール)]
名門と謂えど…派手に傾けば没落するのは早く…
斜陽の影を振り払う…伯爵家[Les comte(レ コント)]…最後の《切り札[Carte(カルト)]》…娘の婚礼
嗚呼…虚飾の婚礼とも知らず――
継母(オンナ)の《宝石》が赤[Rouge(ルージュ)]の
微笑みを浮かべた……
地平線 が語らざる詩…大切0501モノを取り戻す為の…逃走と闘争の日々…
その後の彼女の人生は…形振り構わぬものであった……
私はもう誰も生涯愛さないでしょう 恐らく愛する資格も0501い…
それでも誰かの渇き[Soif(ソワフ)]を潤せる0501ら この身0501ど進んで捧げましょう…
樫[Chene(シェーヌ)]の樽の中で 眠っている可愛い私の子供達[Mon Enfants(モン ナンファン)]
ねぇ…どん0501夢を見ているのかしら?
果実[Pino(ピノ)]の甘み[Sucre(サクル)] 果皮[tinnin(タンニン)]の渋み[Astringent(アストラジャン)] 愛した人が遺した大地の恵み[Terroir(テロワール)]
『歓び[Joie(ジュワ)]』と『哀しみ[Chagrin(シャグラン)]』が織り成す調和[harmonie(アルモニー)] その味わいが私の[Mon(モン)]『葡萄酒[Vin(ヴァン)]』
――そして[Et(エ)]…それこそが[C'est(セ)]《人生[La vie(ラ ヴィー)]》

『其処にロマンは在るのかしら…?』



10.黄昏の賢者

彼の名は『賢者[Savant(サヴァン)]』――
正確にはその呼び名も通称…本名は全く以って不詳…
私が初めて彼と出逢ったのは…ある春の日の黄昏…寂れた郊外の公園だった……
今晩和[Bon soir(ボン ソワール)]――
「お嬢さん[Mademoiselle(マドモワゼル)]…
そんな浮かない顔をして 何事かお悩みかな…?
先ほどから君がその噴水の周りを廻った回数は11回
歩数にしておおよそ704歩 距離にして実に337m
愚かな提案があるのだが…どうだろう
私で良ければ君の 話し相手になりたい…」
まずは誰も居ない → 其れが零[Zero(ゼロ)]だ…
其処に私[Moi(モワ)]が現れた → 其れが壱[Un(アン)]だ…
そして君[Toi(トワ)]が現れた → 其れが弐[Deux(ドゥ)]だ…
単純な数式(シキ)にこそ ← 真理が宿る…
そんな容易なことに0301え自らを閉ざして 気付けない時もあるのだ……
やぁ、ご機嫌よう[Salut(サリュー)]――
「お嬢さん[Mademoiselle(マドモワゼル)]…
先日の悩み事に対する回答は出たのかな?
君と別れてから今日で丁度一週間
時間にして168時間 分にして1万80分
秒にして60万4800秒 …と言っている間にも23秒が過ぎてしまった
今日も君の 話し相手になりたい…」
朝と夜との地平線[Horizon(オリゾン)] → 其れは弐[Deux(ドゥ)]だ…
時の王[Roi(ロワ)]が眠る場所 → 其れは参[Trois(トロワ)]だ…
煌めく永遠(トワ)の星屑 → 其れは伍[Cinq(サンク)]だ…
単純な素数(カズ)に0301え ← 真理は宿る…
どんな容易なことに0301え自らを閉ざして 気付けない事もあるのだ……
君の哀しみを因数分解(バラ)してみようか?
幸福(シアワセ)の最大公約数(カズ)を求めてみようか?
涙を拭って…0301ぁ…お立ちな0301い…君の途まだ続くのだから……
なるほど[En Effet(アン エフェ)]――
産むべきか ←→ 産まざるべきか…
それが最大の…謂わば問題だ…
歓びの朝も…哀しみの夜も…全ては君の物…
未見ぬ物へ…繋がる歌物語…詩を灯す物語[Roman(ロマン)]…
『風車』が廻り続ける度に 『美しき』幻想が静かに紡がれ
(Le moulin rouge… La belle chose…)
『焔』の揺らめきの外に 『腕』を伸ばす愚かな者達は
(La flamme… Le bras invisible…)
『宝石』をより多く掴もうと 『朝と夜』の狭間を彷徨い続ける
(Le bijyou rubis… Le conte d'un matin et nuit…)
『星屑』の砂の煌めきにも 『葡萄酒』は仄甘い陶酔を魅せ
(Le ficelle d'toiles… Le Vin. Rouge Joie et pathetique…)
『賢者』が忌避する檻の中から 『伝言』は真意を彼らに問うだろう
(Le savant Crepuscule… La message de onze lettres…)
『天使』が別れを告げし時 『地平線』は第五の物語を識る
(La statue de l'ange… Le cinq…)
Roman..
繰り返される【歴史】は【死】と【喪失】【楽園と奈落】を廻り
少年が去った後 其処にどんな物語(Roman)を描くのだろうか…
「傷つく事が怖いかね? 喪う事が怖いかね?
信じる事が怖いかね? だからこそ私は…
そんな君の 話し相手になりたい…」
君が来た朝を後悔するなら…更なる痛みを産むべきではない…
君が行く夜を肯定するなら…その子もまた《人生(セイ)》を愛すだろう……
お譲0301ん[Chloe(クロエ)]――君の哀しみを因数分解(バラ)してみようか?
幸福の最大公約数(カズ)を求めてみようか?
埃を払って…0301ぁ…お発ちなさい…君の旅はまだ続くのだから……
0301ようなら[Au revoir(オ ルヴォワール)]――
「お嬢さん[Mademoiselle(マドモワゼル)]…
もう心は決まったようだね
ならば…さぁ…胸を張ってお往きなさい
君は 君の地平線を目指して…」
「ありがとう[Merci(メルスィー)]…賢者さん[Monsieur Savant(ムスィウー サヴァン)]
「…探したぞ…Christophe(クリストフ)

『其処にロマンは在るのかしら…?』



11.11文字の伝言

嗚呼…昨日のことのように憶えて0102ます――
それは冬の朝――
呼び声は温かく手を握り締め――
天使[Ange(アンジュ)]の金管(ラッパ)を聴きました
ありふれた人生だったと…我ながらに憶0102ます…
それでも…アナタを産めたことは『私の誇り』でした……
嗚呼…昨日のことのように憶えて0102ます――
寒0102冬の朝――
産声は高らかに天を掴み取り――
橙色[Orange(オランジュ)]の光が射しました…
つ0102てな0102人生だったと…我ながらに憶0102ます
それでも…アナタと出逢えたことは『最高の幸せ』でした……
嗚呼…どんな苦難が訪れても…諦めず勇敢に立ち向か0102なさ0102
愚かな母の最期の願0102です…アナタは――
『0302・0101・1001・0304・0502・
0105・0501・0902・0501・0301・0102』
「ごめんなさい…」
生まれて来る朝…死んで行く夜…
「さようなら…」
君が生きている現在(イマ)…11
文字の《伝言[Message(メッサージュ)]》
「ごめんなさい…」
幻想…物語[Roman(ロマン)]…『第五の地平線』
「―――ありがとう…」
嗚呼…其処にロマンは在るのだろうか…?
アナタを産んだのが…誰であれ…
本質は変わらな0102…何一つ…
アナタが望まれて産まれて来たこと…
それさえ忘れければ…0102つか繋がれると――
嗚呼…傍で歩みを見守れな0102のが…無念ですが…どうか…凛と往きなさ0102
愚かな母の唯一の願0102です…アナタは――
『0302・0101・1001・0304・0502・
0105・0501・0902・0501・0301・0102』
アナタが今生きて0102る――それが『私が生きた物語の証[Roman(ロマン)]』
この地平(セカイ)愛してくれるなら――それが『私の幸福[Bonheur(ボヌール)]』
――それが『私の物語の意味[Roman(ロマン)]』
『其処にロマンは在るのかしら…?』
生まれて来る意味…死んで行く意味…
君が生きている現在(イマ)…11文字の《伝言[Message(メッサージュ)]》
幻想…物語[Roman(ロマン)]…『第五の地平線』
二つの風車は廻り続けるだろう
愛する者と再び繋がる時まで
生と死の荒野を流離う人形は
廻り往く夜に どんな詩を灯したのだろうか…
そして…地平線を統べる銀色の光
今…幾度目かの朝が訪れる…

嗚呼…其処にロマンは在るのだろうか…?



12.屋根裏ロマン

――今晩和(bon soir)親愛なる地平線の旅人よ
生と死の荒野を流離う内に
この地平に辿りついてしまった様だね
残念ながらここは行き止まり
不毛の世界だ
少女が白いキャンバスに描いた幻想
屋根裏で紡がれし物語(Roman)
折り合わさって死んだ
13人の少年達
嗚呼 その仄暗い檻の中を彼女の笑い声は支配する 
(Oui,madame ハハハハ… サァ ウマレテオイデナサイ --Hiver…)

生まれて来る物語(Roman)
死んで行く物語(Roman)
君が聞いている現在(いま)
もう一つの《伝言》(message) 廻る『風車』
煌く『宝石』 巡る『焔』
『双児の人形』
灯される『第五の詩篇』――Roman…
君が望む地平に繋がるまで
何度でも廻り直せばいい
約束されし無慈悲な夜が明ければ
また新しい朝が訪れるものだから
現実 幻想 物語(Roman)の世界
嘘を付いているのは誰か?

(其処にロマンは在るのかしら?)

全專輯打包下載:「Roman」


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